2018.11.27
soucutsの小言

soucutsの小言 vol.16

普段、美容師として髪を通じたデザインや表現にとても行き詰まることがあるのですが、

そんな時は決まって代官山蔦屋に行き、ふらふらと書籍を手に取ります。

今日のテーマは

『もっと直感的に』

 

で、最近すごく刺激を受けた本がありまして様々なクリエイターが

寄稿している内容なのですが、

その中でも僕の好きなアートディレクターの一人で

原野守弘さん(代表作はOK GOのMVなど)という方の

寄稿がとても響いたので共有します。

 

以下、転載

『1 知りすぎるな』

「学ぶ」ということと「創造的になる」ということは、実はトレードオフの関係にある。

多くの人は、まずここを間違えていることが多い。

つまり学ぶほど創造的になれる、と盲信している。

たとえば広告の仕事なら、クライアントのブリーフをよく読み込むとか、

テーマについてリサーチを行うとか、ターゲットの話をたくさん聞いてみるとか、

そういうことが大切だと信じ込んでいる。

こうしたことは、もしあなたがただ単に、

クライアントの問題を解決することを通じて彼らをハッピーにする作品をつくりたい、

と考えているなら間違いではない。

しかし真に創造的なものをつくることを通じて、

クライアントをハッピーにしたいというのであれば、それは間違いだ。

なぜなら、対象について知れば知るほど、あなたが創造性を発揮できるエリアは狭くなっていくからだ。

答えを出すにあたって、無視することのできないチェックポイントがどんどん増えていけば、

おのずとやるべきことは決まってきてしまう。

そうなると、あなたがつくり出すものは、次第にその他の人がつくり出すものと似てきてしまうのだ。

知識は創造の敵なのだ。

創造するということは、実は「それまで大事だと思われてきたことを無視するということ」に他ならない。

たとえばUber。

極めて創造的なサービスで、あっという間に世界を席巻した。

世界には何万というタクシー会社が存在すると思うが、これまでどの一社も同様のサービスをつくり出すことはできなかった。

なぜなら、彼らは自分たちの仕事を知りすぎていたからだ。

Uberは、既存のタクシー会社が重要だと考えていたものをことごとく無視することによって、

だれも思いつかなかったサービスをつくり出すことができた。

多くの人は、学ぶことや知ることは尊く、努力すべきことであると考えている。

しかしながら、もしあなたが「ほんとうに新しいもの」をつくり出したいのであれば、知りすぎてはいけない。

ブリーフを深く読み込むよりも、ぼんやりと聞いた話の中で自分の心に残ったこと、

ひらめいたことを、もっと直観的に信じることが大切なのだ。

 

という内容で、

ハッとさせられました。

本は定期的に読みますが、煮詰まった時に改めて気付きをくれるので大好きです。

僕も日々精進します。